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新学期が始まって1ヶ月。新しい学年に慣れ、練習や試合も本格的に始まって、子どもたちは元気にサッカーをし続けている毎日。 そんなこの時期に、特に高学年なると、親たちが思うこと・・・
それが、勉強との両立。

「サッカーに夢中になりすぎて、勉強ちゃんとしているかしら?」
「宿題だけやっていても、勉強追いつかないらしい・・」
「サッカーは中学になってもできるから、今はまず勉強してもらいたい」

そんな高学年の親子に向けて、中学受験のオーソリティーの方々にお話を伺いました。

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題して、【スポーツと勉強は両立できるのか?】

今回、お話を伺うのは、学習会のお二人。
受験算数を専門として、多くのお子さんたちをいわゆるTOP校と言われる難関校へ送り込んだ実績のある井出村宣夫先生と井出村先生の算数教室を運営する学習会の代表で、学習相談を担当される長南智志先生。

【時間を埋めるだけでは勉強の効率は上がらない】

まずは、受験算数の井出村先生。

サッカーの練習で一週間が埋まっている状態ですが、子どもにきちんと勉強してもらうとしたら、やっぱり塾に通わせないといけないですか?

「それは、サッカーにたとえると、『スペースを作る』という発想で行けばいいんですよ。」「空いている時間に、スポーツ、塾、習い事…を次々に入れていくという発想は、サッカーで言えば『ボールめがけてみんなが集まっている』のと同じ事です。これではチャンスは生まれませんね。」

「この15年ほどの間に、少年サッカーは大変な進化を遂げたはずです。昔はボールを追っかけてるだけで良かったんですけどね。でも、勉強は全く進化していない。これはちょっとおかしい ですよね。」
「大切なのは『スペースを作ること』、つまり『時間を作り出すこと』です。」

そこをもう少し詳しく伺えますか?

「『勉強のスペースを作る』ために大事なポイントが3つあります。
脳を働きやすくする』『近道を進む』『脳を成長させる』です。」
「たとえば、『脳は楽しいことしか記憶しない』ということが既に脳科学の世界で言われていますが、勉強にこれを活かしている人はまだごく少数です。また、『午後10時から4〜5時間の間に寝ることが、脳を成長させるために大切だ』ということは既に分かっていますが、宿題が終わるまで子どもを寝かさないというご家庭も多いですよね。これらは、脳の働きやすさとか脳を成長させるという目的に、完全に逆行しているわけです。」
「また、文部科学省の『学習指導要領』は、本来は『低レベル生徒の救済』を目的に作られているように感じるのですが、ほとんどの塾のカリキュラムや指導法は、この学習指導要領を下敷きにして作られています。その結果、非常に『遠回り』になっているのです。」

その「3つのポイント」を押さえていけば、自然にスペースが生まれるということですね。

井出村先生「その通りです。昔の『正しい学習』は、非常に遠回りな道を、つまらなくても我慢して進めと言っていたわけです。しかし、それでは脳が働いてくれないので効果が上がらないことが多かった。それを『この子はもともと才能がなかったんだ』とあきらめていた…。サッカーで言えば監督がダメなのに、それが選手のせいにされていると言うか…。笑」

「『本当に正しい学習法』は、探して見つけなければダメなんだってことですね。今まで良いとか正しいと言われてきた方法の中にも、『賢い人間を育てる』という目的から考えると、間違っていることもたくさんあるのです。『どういう子供を育てたいのか』という目的をしっかりととらえれば、今までどれだけ無駄なことや間違ったことをしてきたかが分かります。『勝つためのスペース』はそこに生まれるのです。サッカーで言えば、まさに『考えて走る』ですね。」

なるほど。他に大切なことはありますか?

もうひとつ挙げられるのは、「チームワーク」ですね。
人間はチームワークによって作業効率を上げられることが分かっていますが、普段サッカーをしている子どもはなおさらチームワークが身に付いています。ところが、話が勉強になると、とたんに『個人の戦い』になってしまう。これでは実力は発揮できません。つまり、伸びない。」

勉強における「チームワーク」ってどういうことですか?

たとえばサッカーチームには、技術を教えてくれるコーチと戦略を立てる監督がいて、試合になれば審判もいる。さらにサポーターも大切な存在です。ところが勉強になると、ほとんどの 家庭でこの全ては「お母さん」一人が負ってしまっている(笑)

苦しいときに精神的に支えて応援し続けてくれるはずのサポーターが、同時にルールを厳しく適用する審判でもあり、怒鳴り散らすコーチでもある。しかも一緒に戦う仲間もいない。周り を見回せば「敵」だらけ。これでは誰だって嫌になりますよね。

具体的にどうすればそれを改善できるのでしょう?

たとえば入学試験は合格者がただ1人ということはありません。通常は200〜300人が合格します。一緒に合格した子は入学後は仲間になります。入学試験は決して「人を蹴落として自分が生き残るサバイバルゲーム」ではないのです。しかし多くの人が、「人を落として 代わりに自分が受かる」というイメージを持っています。まず勉強に対するこういう「マイナスイメージ」をなくすことです。子供にとっては勉強もスポーツも変わらないのです。

そして「倒すべき敵」は、問題であり得点であるというイメージを作るのです。問題を解く、 得点を取るということが、敵を倒して受験というゲームに勝つということなのです。 この目的に向かって「チームで力を合わせる」というイメージが作れれば、ゲームが楽しめますよね。それが力を生むということは、脳科学の世界では既に常識だと言われています。スポーツを通じて同様のことを経験してきている子どもは、実は有利な立場にいるのです。 しかし、固定観念に縛られていては、このメリットは活用できません。

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spacer 先生のお話を伺っていると、勉強や受験について考えすぎない方がいいと思えます。でも、、、現実は甘くない。塾に通う子どもたちは、かなり低年齢化しており、4年生、もしくは5年生の中には受験をするためにサッカーを離れていく子たちも現われます。

 

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やっぱり、うまく両立することは不可能なのでしょうか?
学習相談
の専門家である長南先生にもお話を伺いました。

長南子どもたちは無限の可能性があるんですよ。スポーツが出来る子が勉強できないということも、勉強できる子がスポーツできないなんてイマドキの子どもたちには当てはまりません。

私は学習相談という立場で子どもたちに沢山会います。会って最初に思うのは、苦手意識が邪魔しているだけなんですね。それも、親が苦手だと思っているだけで、子どもには子どもの考え方が必ずあります。
その考え方の道筋が、親の考え方とちょっとでもズレていると、親子で分かり合えない。 それが、<苦手>と言うことになっていることが多いです。

こだわっていることなど話すと、そこから『理解する』ことに広がっていくんですね。 例えば、子どもは上手に言葉にできなくても、子どもなりのロジックに従って行動をしています。
「どうしてここで同じミスをするんだろう?」
「何で式を書かないんだろう?」
「字が汚いのはともかく雑に書いて欲しくないのに・・」
「本は好きなのにテストでどうしてテストで取れないの?」
「とにかくスピードが遅いのは能力のせい?」

子どもには言葉にできない子どもなりのロジックがあります。 それを理解した時に解決の糸口は必ず見えてきます。読解の基本、数字の本質、こういうものを理解すると子どもたちは、たいてい、勉強が好きになるきっかけとなります。」

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2010年、2月
世田谷のあるチームの6年生がサッカーを続けながら、中学受験にトライし、 都立、私立あわせて4校すべて見事に合格した。

彼は言っていました。
「試合のときのPKの緊張感に比べれば、テストの問題を取り組むのはそれほど緊張しない」
「集中すること、続けることの大切さは、すべてサッカーで教わった」

勉強をすることとサッカーを続けることは子どもにとって同じこと。

どちらかを真剣にやれば、どちらかが疎かになる・・・

そういう風に思い込んでいるのは、もしかしたら親の勝手な気持ちなのかもしれません。

好きなことに真剣に取り組んでいる子どもたちを応援しているように 勉強に取り組む子どもたちを見守り続ける親を目指してみませんか?

ご協力いただいた学習会では、井出村先生による算数教室、プロの家庭教師の派遣、 また、中学受験に関心のある保護者の方々に向けてのセミナーをやっております。 ご興味のある方はこちらまで、どうぞ!

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